【知的財産法 #8】商標の類似性判断(実践編)!商標の「一部切り出し」は原則NG

こんにちは!

知的財産戦略の策定に邁進中のfurimoniです。

本日も引き続き、商標法の学習です。今日は、昨日の「外観・称呼・観念の総合考察」という原則に基づき、具体的な判例から類似性判断のニュアンスを掴んでいきました。

商標の「一部切り出し」は原則不適切

商標の類似性を判断する際、実務上、特に注意が必要なのが、登録商標の一部だけを取り出して他の商標と比較するという手法の是非です。

  • 原則: 商標は全体で一つの識別標識であるため、商標の一部だけを切り出して他の商標と比較し、類似性を論じる方法は不適切とされています。

この原則を理解するために、二つの事例(判例)の判断軸を整理します。

1. 主要部分ではない場合の分離観察(「タカラトミー」の例)

「タカラトミー」という複合商標があった場合、その一部である「タカラ」だけを抜き出して、別の「タカラ」という商標と類似だと判断することは適切ではありません。

  • 理由: 「タカラトミー」においては、「タカラ」部分が特に独立して主要な部分であるとは言えず、全体で一つの商標として需要者に認識されるためです。

2. 分離可能であっても「主要部分」かを問う事例

さらに複雑な事例として、「A B」という複合商標において、一見分離して認識できそうな「B」の部分だけを取り出して類似性を判断できるか、という論点があります。

判例では、「REEBOK ROYAL FLAG」と「ROYAL FLAG」の類似性が争われた事例があります。

  • 直感的な感覚: 「ROYAL FLAG」部分は完全に一致しており、分離して認識できそうなので類似ではないか?
  • 判例の判断: 類似性は否定されました。
  • 判断軸: この商標においては、「REEBOK」という著名な部分が商標において主要であり、需要者はそのREEBOKの部分を見て商品を購入すると考えられるため、「ROYAL FLAG」部分が分離観察の対象となるほどの強い識別力を持ちません。

📌 自社での商標調査への応用

これらの判例から、自社で商標の調査やリスク評価を行う際に役立つ重要な基準が得られます。

  1. 原則として全体観察: 相手の商標の一部だけを抜き出して「似ている」と判断するのは危険。必ず商標全体を見て判断する。
  2. 主要部分の認定: 複合商標の場合、仮に分離可能に見える部分があったとしても、その部分が当該商標の中で需要者に最も注意を引く「主要な部分」であるかどうかの判断が必要となる。

この基準を適用することで、より正確なリスク評価ができそうですね。


まとめ

今日の学びは、商標の類似性判断における「分離観察」の難しさと、「主要部分」の重要性でした。

今週も折り返し!あと2日頑張りましょう!ではでは!

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